遊牧民の生き方

ノマドをご存知でしょうか。

北アフリカの砂漠や中央アジアの草原で、羊や牛を追って生活している彼らが、
ノマド(遊牧民)です。

彼らはラクダを駆り、オアシスが枯れてくれば、
次のオアシスへと移動しながら生活しています。

現代においてもこのような生活をしている人はいます。
狭苦しいオフィスを出て、さまざまな場所を移動しながら生きている人たちです。

言ってみれば「オフィスのない会社」
「働く場所を自由に選択する人」です。

例をあげると、中国という多様性の統合体としてのシステムが持つ普遍性は、
ある意味ではこの遊牧民の社会に媒介されることで
初めて成立したんだなと思えるわけです。

そこで生じていることはとても面白いことで、
遊牧と農耕という、まるで異質な生き方を持つ集団の内、
たびたび中華世界の支配者になったのが前者であるわけですね。

全然違う生き方を持つ集団が
支配層と被支配層を構成する社会の中で、
面白いことに権力者の側が被支配層にあわせて自己を変革する、
という展開が繰り返されるのです。

遊牧民という生き方が
そもそもそういう性格を持ちやすい部分があるのか、
あるいは圧倒的に被支配者の方が人数が多く、
また生産力も高いので、それに合わせざるを得なかったということなのか、
そのあたりはまだよくわかりません。

どういう意味で重要かというと、
「多様性に生きる」ということです。

その多様性が行き詰まりを突破し
生き残りをさせるのです。


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