やる気のスイッチは4つある
脳研究者の池谷裕二(いけがや・ゆうじ)は、
やる気パワーの根源は脳内の「淡蒼球」にあり、
これを活性化させる4つの方法を明らかにしている。
@Body ・・・体を動かす
AExperience ・・・いつもと違ったことをする
BReward ・・・ごほうびを設定する
CIdeomotor ・・・まねをする、なりきる
1つ目のスイッチはBody(身体)。
身体は脳の支配下にあると思われがちですが、
本当は逆で、カラダが主導権を握っています。
進化の過程を思い出してください。
脳とカラダのどちらが先に発達したか。
もちろんカラダです。
カラダのない動物はいませんが、脳のない動物はいくらでもいます。
脳は進化の歴史では新参者なのです。
「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」、
「やる気が出たからやる」のではなく「やるからやる気が出る」のです。
新幹線や飛行機では、なぜか集中できるという人も多いのではないでしょうか。
最近の研究で身体を動かさずとも、動いているという感覚があれば、
脳が活性化することがわかっています。
2つ目はExperience(経験)。
日常生活の体験は「海馬(かいば)」を通じて、
貴重な記憶や知恵として脳に貯えられます。
日常生活で初めて経験するような事態では、
海馬が淡蒼球などを総動員して事態に対応します。
しかしいつもと同じ経験では、わざわざ海馬が顔を出す必要はありません。
部下だけで処理を代行できる。
つまりよほど重要なことでない限り、海馬にまで情報は届かない。
海馬のためにはいつもと違う要素を取り入れるのが効果的なのです。
また脳研究では「準備の心(プリペアードマインド)」という概念が知られています。
事前に「続かなくて当たり前」と気楽に構えておくと、長続きします。
3つ目はReward(報酬)。
ごほうびの喜びは「テグメンタ」という脳部位を活性化させ、
快楽物質であるドーパミンを出します。
ドーパミンは淡蒼球に直接働きかけるため、
ごほうびとやる気とは強い相関があります。
お金や食べ物も報酬になりますが、何よりのごほうびは達成感でしょう。
目標は小さくしつつ、腹八分目でやめるというのがおすすめです。
4つ目はIdeomotor(イデオモータ)。
「念ずれば通ず」はウソではありません。
強く念じることで、無意識のうちにカラダが動く。
成功のイメージを具体的に描き、
その自分に「なりきる」ことでやる気が引き出されます。
脳の情報処理というのはパラレルに行われます。
仕事がうまくいかないときは、趣味にも集中できませんよね。
一流の人は、4つのスイッチを無意識のうちに使い、
趣味を通じて、仕事にも弾みをつけているのでしょう。
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