何をどう考えてもやはり基本
世界中のホットドッグを食べた評論家。
究極のホットドッグを紹介すると言われ、
リポーターは喜んで待ち合わせします。
2、3日待ってようやく現れたのは
お爺さんが車で移動販売するホットドッグ屋さん。
「これはシンプルな基本中の基本じゃあないですか!」
「そうですよ、辛口や変わったソースのも食べましたが
やはり基本が一番です」
ある文芸評論家のお話。
「あらゆる物語を読みました。
その結果、私がたどり着いた答えがこれです。
初版グリム童話。
すべてはこれからのコピー+アレンジです」
ハモ職人も同じ事をいいます。
腕が上がってきた弟子が
卵やタレを使ってお洒落な料理を作ります。
お客にもウケがよい。
ところが師匠に学んで
基本をやった新入りに負ける。
「師匠、どういうことでっか?」
「やれ卵を使ったの、煮付めたタレを使ったの
浅はかなそこそこの小細工やないか!
基本に戻らんかい!」
大塚英志の小説家入門書でもこう書いてあります。
「基本となる型を初心者が使うと
何だかぎこちなくてうまくいかない。
それを訓練して使いこなしてこそ
受けをしっかり考えた送り手の
あるべきスタイルというものです」
私も漫画のネタに
刀で相手の攻撃を少しだけ弾いて
その隙に切り返す
という裏技を思いつきました。
しかしそれは
ビリヤードで基本中の基本だったのです。
白球を突いて違う球に当てて
その軌道のまま
もう一つ違う球に当てる。
基本の正体は
裏技や応用そのもの。
悪いこと言いません。
迷ったら基本をやりましょう。
凄腕の料理人も
まず基本をやってから
応用させています。
土台なくして建物はありえません。
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