システムからのパターン展開
桝田省治師匠のコラムより
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既存のドラマを分析して
その成立要件が揃いやすいシステムを作れば
シナリオがなくてもドラマは
かなり高い確率で頻繁に生まれる。
さらにこのシステムが働きかけたことにより紡がれるドラマは、
1本道のRPGにくらべて
ディテールや状況が実に多様という特徴がある。
つまりは、僕が考えた
「〜という点に留意しつつ、ていねいにシステムを構築すれば、
シナリオなしでもドラマは発生するはず」
という仮定は、ほぼ証明されたわけだ。
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感動したシーン、笑った台詞、怒りがこみ上げた悪役の仕打ち等、
とにかく自分の心が予想外に揺り動かせれたポイントを
可能な限り書き出してください。
じゃそのポイントでなぜ心が動いたのか、
心を動かすために作り手が
何を作品の中に配置したのか考えながらもう1度。
その存在をその作品内で成立されるために用意された要素を捜してください。
それが見つかったら同様にそれを成立させる要素を捜してください。
あとはそれが最大限に効果を発揮できる条件を整理して、入念に配置する。
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物語の設定を作るときに
例えば、『ロケット打ち上げ』という場面を思いついたとします。
となると
船長がいたほうが分かりやすくなるし
助手もいたほうが話しやすくなる
さらに過去の打ち上げ失敗を盛り込むと
絶妙なほろ苦い切なさも表現できる。
後は船長と助手のすれ違いや仲直りに打ち上げ成功
という風にすると流れが自然ですね。
メインシステムにサブシステムに予備システム
まで作りこむと、すごくパターン展開しやすいのです。
そしてシステムのパーツ1つから
現状 ― 私たちが主人公と一体化する。
きっかけ ― 何かが起こり現状のままでいられなくなる。
探求の旅 ― 課題に対処する。
驚き ― ストレスや脅威の本当の要因と出合う。
強迫観念 ― 板ばさみ状態によるジレンマ。
重大な選択 ― 決断し何かを選択する。
方向転換 ― 決断の結果として変化が起こる。
解決 ― 方向転換が成功する。
の8項目を組み合わせて
物語にします。
後はシステムのパーツが
無くなるまで繰り返す。
そうすると
すごく長い物語になるはずです。
システムが行き詰ったら
違うシステムを入れると助かります。
肝心なのはシステム組み合わせの問題点を
しっかり直すこと。
簡単に統合はできません。
手間暇かけた修正が
バージョンアップをもたらします。
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