衰退の五段階

『ビジョナリーカンパニー3』 という本から引用ですが、
とても納得のいく教えだと思います。

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■第一段階 成功から生まれる傲慢 


・成功は当然だとする傲慢

・主要な弾み車の無視ー指導者が外部にある脅威や冒険、
機会に関心を奪われ、主要な弾み車を無視するようになり、
当初に偉大な業績をあげるようになったときと同じ
徹底した創造性を発揮して若返りをはかろうとはしない


・何からなぜへ移行

成功を謳歌する見方を取るようになり
(「われわれが成功しているのは、これこれのことをしているからだ」)、
深い理解と見識(「われわれが成功を収めているのは、
これこれのことをする理由と、それが通用しなくなる条件を理解しているからだ」)
が忘れられる


・学習意欲の低下

指導者が好奇心と学習意欲を失う。
真に偉大な人物は好奇心と学習意欲を特徴としており、
どれほど成功を収めても、キャリアをはじめた時期と
変わらないほど急勾配の学習曲線を維持している


・運の役割の軽視

偶然と幸運に恵まれた可能性を認めるのではなく、
成功はすべて組織と指導者が優れていたからだと考えるようになる



■第ニ段階 規律なき拡大路線


・持続不可能な成長の追求と、大きさと偉大さの混同

成功を収めるとさらなる成長を求める圧力が生まれ、
期待の悪循環がはじまる。

この結果、人々も企業文化もシステムも極限に追い込まれる。
卓越した短期的業績を常に達成することができなくなり、
組織にほころびがあらわれるようになる。


・関連しない分野への規律なき飛躍

以下の三つの基準のうち、少なくとも一つにあてはまらない分野に劇的に進出する。

第一に情熱を持って取り組める分野、会社の基本的価値観に一致する分野なのか。
第二に、その活動か、その分野で世界一になれるのか。
第三に経済的原動力、経営資源の原動力を強化する活動なのか


・主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率の低下

主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率が低下するのは、
適切な人材が流出しているか、卓越性を維持して成長するのに
必要な人材を集められるよりも速いベースで成長した
(つまり、パッカードの法則を無視した)結果である


・容易に利益を得られることによるコスト面の規律の緩み

コストが上昇したとき、規律を強めるのではなく、
価格を引き下げ、売上高を増やそうとする


・官僚制による規律の破壊

官僚的な規則の制度によって、
規律の文化の特徴である自由と責任の精神が破壊される。

自分の仕事を責任によってではなく、
肩書きで考える見方が強まる


・問題のある権力継承

後継計画が貧弱か、社内で優れた指導者を育成するのに失敗したか、
社内政治の混乱があったか、運が悪かったか、
後継者の選択を間違ったために、権力の継承で困難にぶつかる


・組織の利害より個人の利害を優先

権力の座にある人が数十年先を見越して
偉大な企業を築くことを主な目的として投資するのではなく、
短期的に報酬や特権や名声成功の分け前をもっと得られるようにするために、
自分自身と支持者への分配を増やしていく



■第三段階 リスクと問題の否認


・良いデータを強調し、悪いデータを小さく見せる傾向

悪いデータを小さくみせるか説明し、
会社の何がおかしくなっているとは想定しようとしない。

経営者は外部の賞賛や報道を強調し、大げさにいいたてる


・事実の裏付けがない大きな賭と大胆な目標

指導者が大胆な目標を掲げ、大きな賭にでるが、
事実の積み重ねに基づくのではなく、
ときには悪いデータが積み上がってきたのを無視してそうする


・曖昧なデータに基づいて、とてつもないリスクをおかす動き

データが曖昧な状態で、最悪の場合には
深刻か致命的な打撃を受けかねない決定を行うとき、
指導者はデータを良い方向に解釈し、
「喫水線以下」に大穴を開けるリスクをおかしている


・経営陣の健全な行動様式の衰退

対話と論争が質と量の両面で目立って低調になる。
経営が合意型か独裁型になり、激しい論争を経た決定を
全員で実行していくスタイルではなくなる


・外部要因への責任の押し付け

指導者が後退や失敗を完全に引き受けるのではなく。
外部要因や他人に責任を押し付ける


・組織再編への固執

厳しい現実に真正面から対応するのではなく、組織再編を繰り返す。
幹部は外的な条件ではなく、社内政治に注意を集中するようになる


・傲慢で超然とした姿勢

権力を握るものが傲慢になり、超然とした姿勢をとるようになる。

経営幹部の地位を示すものや特権によって、
超然とした姿勢が強まる。

さらに新しい本社ビルに入れば、
経営幹部は日常業務から切り離されうる。



■第四段階 一発逆転策の追及


・特効薬の追求

「ゲームを変える」買収、新戦略への一貫性のない飛躍、
興奮を呼ぶ技術革新など、劇的で大きな動きによって
素早く突破口を開こうとする傾向がある。

失敗するたびにこれを繰り返し、一つの計画から別の計画へ、
一つの目標から別の目標へ、一つの戦略から別の戦略へ揺れ動き、
一貫性のない行動をいつまでも続ける


・救世主のような指導者への期待

取締役会は脅威と後退への対策として、
カリスマ的な指導者や社外の救世主を探す。


・パニックと拙速

冷静に慎重に規律ある行動をとるのではなく、
あわてて条件反射的な行動をとり、パニックに近くなる


・抜本的な変化と「革命」の喧伝

新しい計画、新しい文化、新しい戦略という新しい体制を象徴する言葉として、
「革命」や「抜本的」変化といった言葉が使われる。

指導者は大宣伝を行い、従業員の力の結集と動機付けのために力を注ぎ、
流行りの言葉やキャッチフレーズを浸透させようと努力する。


・業績より売り込みの優先

期待を低くするために業績回復が難しく、
時間がかかると強調するのではなく、ビジョンを売り込む。

業績の低迷を補うために、明るい未来を約束して売り込み、
過大な約束をして期待を裏切るパターンに陥る


・当初の業績回復とその後の失望

当初は業績が回復するが、長くは続かない。
希望がついえた後につぎの希望もついえる。
成果を積み重ねて勢いが蓄積していく状況にはならない


・混乱と皮肉な見方

組織の存在理由が何なのかを、従業員が簡単に語ることができなくなる。
基本的価値観は破壊され、無関係になる。

会社は「どこにでもある並みの職場」にすぎなくなり、
給料のために働く場にすぎなくなる。

従業員は勝利を収め、圧倒的な地位を築く能力が
自分たちにあるとは思えなくなる。

会社の基本的価値観と目標を強く信じるのではなく、
不信感をもつようになり、ビジョンや価値観は
宣伝文句にすぎないとみるようになる


・リストラの繰り返しと財務力の低下

計画に失敗するたびに資源が流出する。
キャッシュフローと財務の流動性が低下しはじめる。
何度もリストラを繰り返すようになる。

選択肢が狭まっていき、戦略的な意思決定は
状況によって強いられたものになっていく。



■第五段階 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

第五段階には基本的に二つの形態がある

 1:権力を握る人たちがこのまま戦い続けるより、屈服した方が全体的に見て良い結果になると考えるようになる
 2:苦闘を続けるが、選択肢が尽きてしまい、企業が完全に死に絶えるか、重要性のない企業に縮小する

 
<戦いをあきらめる>
第一段階から、第二、第三、第四と進んでいくとともに、疲れ果て、やがて希望を捨てるようになる
 →希望だけでは不十分。戦いを続けられるだけの経営資源を持っていなければならない
  →戦略を選ぶ余裕がなくなり、短期的に生き残るために必要な判断を下さなければならない状態になると
   完全な回復を達成できる可能性は遠のいていく

 
<選択肢が尽きる>
企業がどん底まで落ち込むのは指導者がまったく愚かな決定を下すからだと考える人もいる
 →しかし第一段階から第四段階までの打撃が積み重なって現金が不足すると、
  有能な指導者でも自社の方向性を管理出来なくな

 
<否認なのか希望なのか>
どういう時に、企業は戦いを継続すべきなのだろうか
 →「当社が消えた時、世間は何を失い、どういう点で悪くなるのだろうか」
  →この問いに説得力のある答えが出せないのであれば、屈服がおそらく賢明な道であろう

*戦いで重要な点は生き残ることではない
 →関連した部分に特有の影響を与え、優れた業績を与えながら影響を与える
  →よって存在しなくなれば大きな穴が出来る
   →この穴は、他の組織が埋めるというわけにはいかない
    →こういう企業を築くことである

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衰退の逆を書いてみました。
これが成功する会社の始まりである気がします。


第一段階
失敗から生まれる謙虚

第ニ段階 
厳しいルールによるまとめ

第三段階
問題の原因を突き止めて解決し安全を確保する

第四段階
確実に一歩ずつ進んでいく

第五段階
諦めないで変わった会社運営を続けて成功


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