セカイ系を知る

セカイ系とは
「主人公(ぼく)とヒロイン(きみ)を中心とした
小さな関係性(「きみとぼく」)の問題が、
具体的な中間項を挟むことなく、

『世界の危機』『この世の終わり』など、
抽象的な大問題に直結する作品群のこと」
と定義される。

「世界の危機」とは
全世界あるいは宇宙規模の最終戦争や、
異星人による地球侵攻などを指す。

「具体的な中間項を挟むことなく」とは
国家や国際機関、社会やそれに関わる人々がほとんど描写されることなく、
主人公たちの行為や危機感が
そのまま「世界の危機」にシンクロして描かれることを指す。

「戦闘を宿命化された少女と、
それを傍観するしかない無力な少年」

というキャラクター配置も
セカイ系に共通する構図とされている。

この傷ついた少女(=「きみ」)と無力な少年(=「ぼく」)との恋愛が、
世界の危機と平行した学園ラブコメディとして描かれることも多く、
このため「きみとぼく系」と呼ばれることもある。

セカイ系の図式に登場する
「きみとぼく/社会領域/世界の危機」というの3つの領域は、

それぞれ「近景/中景/遠景」(別役実による)や
「想像界/象徴界/現実界」(ジャック・ラカンによる)
といった用語に対応させて言及されることもある

セカイ系という呼び方は
「ぷるにえブックマーク」の管理人ぷるにえ氏(id:tokataki)が、
2002年10月下旬から使い始めたのが始まり。

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私が思うにセカイ系の元祖は
1927年のドイツ映画『メトロポリス』である
と思います。

ある日、支配的権力者の息子・フレーダーは
労働者階級の娘マリアと出逢い、
初めて抑圧された地下社会の実態を知る。

モノクロ映像美が素晴らしく、
パントマイムのような身振り手振りと
奥深い表情の演出が素晴らしい。

BGMはシンプルにピアノだけ。
シンセサイザーが便利な現代に
考えさせられました。

約80年前の映画なのに
狂ったアンドロイドの反乱による
地下都市の崩壊と洪水がスペクタクルです。

セカイ系について詳しく知りたければ
以下の2冊がオススメです。

セカイ系とは何か ポスト・エヴァのオタク史
前島 賢 (著) 
出版社: ソフトバンク・クリエイティブ

社会は存在しない―セカイ系文化論
限界小説研究会 編 (著)
出版社: 南雲堂 


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