食わせてもらうありがたさと惨めさ
無頼伝 涯より
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「いつも・・・聞き逃していた・・・あいつらの話・・・あいつらの
事なんだから・・・・と。我慢した。
我慢しながら不思議でたまらなかった・・・
食わせてもらってるくせにっ・・・!
自分ではビタ一文稼がず・・・
生活のすべてを親がかりのくせに・・・その肝心なところは棚上げにして
罵詈雑言・・・親の不出来をのたまうのは見苦しい・・・!
で・・・そんなに嫌いなら・・・中学を出たら当然すぐ独立かと思いきや・・・
そうでなく・・・どうもその先・・・高校・・・大学・・・いや・・・
働くようになっても・・・金・・・世話だけは焼き続けてもらうつもりらしかった・・・!
なに・・・それ・・・?まるでわからない。
どう考えても・・・働く父親世話を焼く母親のほうが立派だった・・・!
腐っている・・・!
あいつらの方がはるかに腐っている・・・!」
ある日このことで言い争いになり
「お前だって施設がかりじゃないか!」
文句こそを垂れないものの、俺も施設の庇護の元にあって
オレも奴等と同類…あの半端人間どもと…!
許せないっ…!それが許せないっ…!
放たれたい…!!
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