食わせてもらうありがたさと惨めさ

無頼伝 涯より

---------------------------------------------------------------------- 

「いつも・・・聞き逃していた・・・あいつらの話・・・あいつらの
事なんだから・・・・と。我慢した。

我慢しながら不思議でたまらなかった・・・
食わせてもらってるくせにっ・・・!

自分ではビタ一文稼がず・・・
生活のすべてを親がかりのくせに・・・その肝心なところは棚上げにして
罵詈雑言・・・親の不出来をのたまうのは見苦しい・・・!

で・・・そんなに嫌いなら・・・中学を出たら当然すぐ独立かと思いきや・・・

そうでなく・・・どうもその先・・・高校・・・大学・・・いや・・・
働くようになっても・・・金・・・世話だけは焼き続けてもらうつもりらしかった・・・!

なに・・・それ・・・?まるでわからない。
どう考えても・・・働く父親世話を焼く母親のほうが立派だった・・・!

腐っている・・・!
あいつらの方がはるかに腐っている・・・!」

ある日このことで言い争いになり

「お前だって施設がかりじゃないか!」

文句こそを垂れないものの、俺も施設の庇護の元にあって
オレも奴等と同類…あの半端人間どもと…!

許せないっ…!それが許せないっ…!
放たれたい…!!


インデックスへ戻る