それは30才になる誕生日のお祝いでした。 ある喫茶店のハンバーグランチがおいしいと 知り合いに聞いて食べに行ったのです。 するとやたらにうまい。 昼下がりに本を読みながら こんなお店で優雅な一時をたくさん過ごせたら どんなに気持ち良いだろう。 それができない原因は うちが借金3000万円もある貧乏だから。 悔しい。 お金がないと味わえない快楽は 確かにあるんだ。 勝ちたい。 借金の利子を払い続けるだけの人生は嫌だ。 最近読んだミナミの帝王を思い出す。 「銭は受身ではたいして手に入りませんでえ。 攻めて勝ち取るものですがな!」 食事で差が出るのは我慢できない。 勝つぞ、金を稼いでおいしい名店で食べまくってやる! 静かで欲の無い自分に ようやく熱い欲が出ました。